七仏通戒偈と十善戒 [哲学 思想 名言]
昔、唐代随一の詩人と言われた白楽天が、道林禅師という高僧に、仏教の真髄を尋ねたところ、
・諸悪莫作(しょあくまくさ) 悪いことは決しせず
・衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう) すすんで善い事を行い
・自浄其意(じじょうごい) 自分の心を清めなさい
・是諸仏教(ぜしょぶきょう) これが仏の教えですよ。
という答えが返ってきた。それに対し、「白楽天はそんな事は3歳の子供でも知っているではないか」とむっとすると、「それでも80歳の老人でもなかなかできないものですよ」と諭されて、白楽天は敬服したという話であった。つまり、「わかる」ことと「できる」ことは、全く異なるということを示した逸話話である。
それから、十善戒の話は、「悪をなさず、善を行う」という規範 で、
・不殺生(ふせっしょう) ころさず
・不偸盗(ふちゅうとう) ぬすまず
・不邪淫(ふじゃいん) おかさず
・不妄語(ふもうご) いつわらず
・不綺語(ふきご) かざらず
・不悪口(ふあっく) そしらず
・不両舌(ふりょうぜつ) たばからず
・不慳貪(ふけんどん) むさぼらず
・不瞋恚(ふしんに) いからず
・不邪見 (ふじゃけん) あやまたず
つまり、普段の行いで気を付けなくてはならないことを、10のわかりやすい戒めにしたもの。これもあたりまえで、誰でも知るところだが、実行するのはなかなか難しい。すべての不幸や災いは、この戒めが崩れたところから始まるといえる。身からでたサビなども、まさにこれを怠った事にあろう。
たった1枚のチラシであったが、日常の生活で忘れかけていた大切なものを呼び覚まされた。何気ない心の動きやちょっとした注意が他人を傷つけ、そして自分に跳ね返ってくる。その根っこになるところは日々の行いの中にあることを改めて教えられた。実に有意義な日を過ごすことができた。
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