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蕎麦屋にジャズ、これが意外といい。 [趣味・娯楽]

  最近、意外なところでジャズを聴く。蕎麦屋、焼き鳥屋、もんじゃ焼き屋、それから温泉の露天風呂。これが不思議なくらいフィットする。聞くところによると、関西ではお寺でジャズ演奏の催しを行っているところもあると言う。いまやジャズは日本の文化にしっかり溶け込み始めている。

 だが、そんなジャズも音楽のジャンルとして聴いている人はそう多くない。特に若者の間ではあまり人気があるとは言えない。まだ大人の音楽という昔ながらの先入観があり、軽い気持ちでは入っていけないようだ。

 私もそれほどのジャズファンではないが、ビル・エバンス、スタン・ゲッツ、ソニー・ローレンス、ウエスモンゴメリー等などのモダンジャズ的なスタンダードが好きである。また、ルイアームストロングのあのしゃがれた声やジョー・スタフォードの情緒あふれる歌声を聴くと、不思議と懐かしい気分になり心が妙に踊る。これらの曲が流行った1950年代前後のアメリカは経済も文化も絶好調で憧れの存在であった。そんな良き時代の雰囲気がこれらの音楽に漂っているから、良い気分になれるのだろう。

 さて話を戻すが、私はこのアメリカンであるジャズがいま日本文化に新しい息吹を吹き込んでいると考えている。

 西洋とは全く対照的で伝統的な古い文化が、ジャズミュージックとのコラボレーションで妙にオシャレな雰囲気になり、そして日本らしさも引き立てられている。それが融合すると凄く斬新さを感じるのが面白い。もしかしたら、ジャズ自体も日本の伝統文化の中で際立たされ、その良さも引き出されているのかもしれない。これも和洋折衷なのだろうか。 

 もうひとつ、ジャズに魅力を感じるところがある。それは「品格」。

 ジャズは歴史を顧みると様々な人たちの文化や生活の影響を受け今日のようなスタイルになったが、その音楽には一貫としてアメリカ南部の貧しい黒人の魂が込められている。アフリカから奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられ、過酷な重労働と苦しい生活の日々から生まれた音楽である。彼らの苦しみや喜びがその音色に詰まり、その魂が今日の我々の心を響かせているのだ。1930年代頃からニューオリンズを中心に酒場など演奏され始め、スタイルも変わりはじめたが、ミュージシャン達は一様にその音楽の精神性を尊重し、より良質な音楽へと進化させていった。そうしたことから、ジャズは心をより揺さぶる品格性を高めてきたのだろう。

 だから、そんなジャズの精神性が日本文化の相性とぴったりくるのではないだろうか。

 今日は休日であるけど、家で仕事をしなければならない。ビル・エバンスのピアノを聴きながら、これからリラックス気分で仕事をすることにしよう。


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