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いま昭和レトロが流行っている。 [社会・生活]

 最近、「昭和」が流行っているようだ。ドラマや映画でも取り上げられるケースが目立つ。ついひと昔前だが、妙にセピア色に映り、懐かしい。

 自分も昭和中頃からどっぷり生きてきた人間である。振り返れば凄まじい変化の時代を駆け抜けてきたものだ。

 東京の移り変わりを写真で観るとあまりの変貌に驚かされる。イギリス、フランス、イタリアなどのヨーロッパ諸国は街の記憶を風景の中にしっかり残している。それに対して日本はその面影すら完全に消し去り、数十年で全く新しい街に造り変えている。まあ、それは景色だけでない。人々の暮らし、文化、思想に至るまですっかり変ってしまった。逆に昭和の何が残っているのだろう。寂しいけど殆ど思いつかない。

 では昭和とはどんな時代であったか、少なくても次の3つの時期に分かれる。まず苦難の戦前、戦中の初期、そして戦後の復興から高度経済成長を遂げる中期、そしてGDP世界第2位の経済大国にのし上がった後期。同じ昭和と言えども世の中の状況、雰囲気はガラリと違う。

 この中で日本に最も勢いがあり、希望に満ちていたのは30年~40年代だ。東京オリンピックに、新幹線開通、大阪万博など、ビックイベントが目白押しで、庶民の生活も大きく変化した。特に三種の神器と言われる冷蔵庫、洗濯機、テレビなど各家庭に普及しはじめ、戦後の貧乏状態からやっと抜け出れる兆しが観えてきたころだ。

 この頃の象徴的な光景と言えば、茶の間にある一台のテレビの前に、家族そろって、巨人戦やプロレス観戦、また家の前で親子のキャッチボール、家族みんなで銭湯に行く姿、そんな家族の絆が当たり前だった良い時代が思い浮かぶ。

 いまは人との接点が希薄である。特にマンションはセキュリティーの問題もあるが、人との交流は極めて少なくなり、子どのたちは自分の部屋に籠りゲームで遊んでいる。都会では公園や空き地など、体を動かして遊ぶ場所は少ない。だから、子供たちの温室育ちが多くなるのは仕方ないが、本当にそれでいいのか、親たちは真剣に考えるべきである。

  いつしか我々の思考パターンは、便利さを追求するあまり、欧米流の合理主義、効率主義、そして営利主義に染まり、かつて日本で大切にされていた自然を愛する心、義理深く生きることが、いつの間に排除されてしまった。

 よき日本、美しい日本。未来の子供たちにもそれを受け継いでもらいたい。いま、原発事故、東日本大震災を通じて、いままでの我々の価値観を反省する時期にきている。我々の先祖が培ってきた伝統、文化、思想をもう一度見直して、新しい時代を切り拓くことが大事だ。セピア色に染まった昭和レトロの中にも、そのヒントがたくさん詰まっているように思う。 


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